給与明細などをカバンに入れて、持ち歩いている人は少ないのではないでしょうか。

これからカードローンを契約するときに、もしも収入証明書の提出を求められたら…。

わざわざ自宅へ帰って、収入証明書を用意しなくてはなりません。

あるいは収入証明書が手元になくて、市役所などで発行しなくてはいけない人もいると思います。

そうなると、今日中の融資に間に合わせるのが難しくなってきます。

できれば用意するのが面倒な収入証明書は、提出せずに契約したいところです。

とくに総量規制以上の借り入れをするときに、収入証明書の提出を求められるケースは多くなっています。

では、収入証明書なしで総量規制以上の借り入れができるカードローンは存在するのでしょうか。

収入証明書なしで総量規制以上の借り入れが不可能に!?

現在では、収入証明書なしで総量規制以上(年収の3分の1以上)の借り入れをするのが大変難しくなっています。

なぜなら、最近、頼みの綱である銀行カードローンが収入証明書の提出金額を大幅に引き下げたからです。

銀行カードローンは、消費者金融と違い法規制外になるため、総量規制以上の借り入れに対応しています。

しかし銀行カードローンは、収入証明書の提出基準を消費者金融と一緒の50万円までに引き下げている状態にあります。

銀行カードローンは過剰融資問題で、金融庁から融資審査態勢の改善を求められているからです。

現在では銀行109行のうち、約9割が融資審査態勢の改善に応じて収入証明書の提出基準を下げています。

残りの1割も定期的に金融庁からの実態調査を受けていますので、全ての銀行が収入証明書提出の基準を引き下げるのは時間の問題です。

そうなると、次のように総量規制以上を収入証明書なしで借りられる条件はかなり限られてきます。

  • 年収90万円→限度額30万円までなら収入証明書不要
  • 年収150万円→限度額50万円までなら収入証明書不要
  • 年収180万円→限度額60万円だから収入証明書が必要

年収150万円がギリギリのライン

銀行カードローンと消費者金融は、借入限度額50万円以内なら収入証明書が不要になります。

ここで、総量規制以上を借りるという付加価値をつけます。

物理的に、年収150万円が収入証明書なしで総量規制以上の借り入れができるギリギリのラインということになります。

アルバイトやパートなどで収入が少なければ、総量規制以上を収入証明なしで借りられるかもしれません。

とはいえ、多くの人が年収150万円を超えていると思いますので、現実的には夢物語に過ぎません。

総量規制以上の収入証明書不要なのは専業主婦だけ?

ここまで総量規制以上の借り入れを収入証明書なしで借りるのは難しいと話してきましたが、専業主婦の場合は例外です。

そもそも働いていない専業主婦は、収入の証明ができないからです。

専業主婦の審査方法は特殊で、本人と合わせて配偶者の信用力も加味されます。

「それなら主人の収入証明書が必要になるってこと?」と思われるかもしれませんが、契約者は”あなた”になるため配偶者の収入証明書も必要ないのです。

その代わりと言ってはなんですが、一般的なサラリーマンと比べて専業主婦は借り入れできる金額が小さくなっています。

金融機関によって異なりますが、限度額10万円〜50万円など。

残念ながら、専業主婦は高額な融資は期待できません。

そのほかにも消費者金融では借り入れできないなど、様々な縛りがあるため借入先が制限されることが多くなっています。

あらゆる情報を踏まえて考えると、収入証明書なしで総量規制以上の借り入れができるのは専業主婦だけといっても過言ではありません。

銀行カードローンでも免許証だけの借り入れができなくなった!?

これまで銀行カードローンは、限度額200万円〜500万円を超えなければ収入証明書の提出が必要ありませんでした。

しかし、平成30年1月に発表された自主規制で、銀行カードローンは収入証明書の提出金額を限度額50万円超に引き下げています。

金融機関名 平成30年1月以前 平成30年1月以降
オリックス銀行カードローン 原則300万円まで不要 50万円超から必要
三井住友銀行カードローン 原則300万円まで不要 50万円超から必要
りそな銀行カードローン 原則300万円まで不要 50万円超から必要
楽天銀行カードローン 原則300万円まで不要 原則、必要
東京スター銀行カードローン 原則300万円まで不要 50万円超から必要
みずほ銀行カードローン 原則200万円まで不要 50万円超から必要

自主規制は、銀行が返済能力を十分に確認しないままに過剰な融資をしたことで、社会的にバッシングを受けて導入された銀行独自のルールです。

金融庁の「銀行カードローン実態調査」でも、次のように発表されています。

銀行カードローンの年収証明書の取得基準

  • 平成30年1月以前  融資額200万円〜500万円超
  • 平成30年1月以降  貸金業者と同水準の50万円超に引き下げ

銀行カードローンが収入証明書の提出金額を引き下げたことで、収入証明書なしの借り入れが難しくなっています。

メガバンクは収入証明不要の借り入れができない!?

みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行などのメガバンクは、収入証明書の提出を徹底しています。

また、他の銀行系カードローンも収入証明書なしでの借り入れに前向きでありません。

ルール上は、限度額50万円を超えなければ収入証明書を提出しなくても良いのですが、実際のところ提出を要求されるケースが多いです。

実際に、管理人も利用したところ10万円の借り入れであっても、三井住友銀行で収入証明書の提出を求められました。

収入証明書なしで借りたいのなら、メガバンクは避けたほうが良いかもしれません。

収入証明書不要で借りるときに守らなくてはいけない2つの絶対条件

消費者金融と銀行カードローンは、限度額50万円を超えるか、他社との借入合算額が100万円を超える場合に収入証明書の提出が必要になります。

これらの条件を下回っていれば、収入証明書の提出を求められないケースが多いです。

1.借入限度額が50万円以下である

1社からの借入限度額が50万円を超えると、収入証明書の提出が必要になります。

限度額50万円以内であればセーフ、限度額51万円以上になるとアウトです。

限度額50万円を上回る場合は、収入証明書なしの借り入れが難しいと考えておきましょう。

2.他社借入額と借入希望額の合算が100万円以下である

先ほど限度額50万円以内の借り入れなら、収入証明書不要だといいました。

しかし他社借入額と借入希望額の合算が100万円を超える場合は、収入証明書の提出が必要になります。

たとえば既に借入残高が60万円あり、新たに別の金融機関から50万円を追加借り入れしたい場合、合算すると110万円になるため、収入証明書を提出することになります。

他社借入50万円で、新たに50万円を追加借入する場合は、合算額が100万円以内になるので収入証明書不要になります。

消費者金融も銀行カードローンも収入証明書を提出する条件は同じ

消費者金融も銀行カードローンも、収入証明書を提出する条件は同じです。

上述でも説明があるように銀行カードローンは、自主的に収入証明書の提出金額を引き下げています。

その一方で、消費者金融は「貸金業法」という法律で収入証明書の提出金額が定められています。

貸金業法の収入証明書に関する内容は、次のとおりです。

貸金業者は、法律により、1社のご利用限度額が50万円を超える場合、または複数の貸金業者からの借入額の合計が100万円を超える場合、収入証明書の取得が義務付けられました。

収入証明書が必要にも関わらず、提出を怠った場合は、新たな融資が受けられないなどのペナルティーが科せられます。

たとえば他社からの借り入れがあるのに、収入証明書を提出したくないがために他社借入額「0円」という嘘をついたなど。

発覚した時点でカードローンが利用停止になる、あるいは審査落ちになるといった罰を受けることになりますので、注意する必要があります。

収入証明書不要で借りるときに審査で注意したいポイント

収入証明書不要のカードローンで借りたいのなら、審査のときにいくつか注意するポイントがあります。

各カードローン会社の公式サイトを見ると、「保証会社の判断により、収入証明書が必要な場合があります」という旨の記載がよくあります。

これは、本来なら収入証明書を提出する必要がなくても、場合によっては収入証明書が必要になるということです。

では、保証会社の判断により収入証明書が必要になる場合とは、どういった状況なのでしょうか。

申込時に他社借入額の嘘をついた

収入証明書の提出を避けたいがために、他社借入額の金額をごまかす人がいます。

しかし他社借り入れの金額を嘘ついても、カードローン会社にすぐにバレてしまいます。

それどころか嘘をついたことで信用を失い、かえって収入証明書の提出を求められる場合があります。

金融機関は、個人信用情報を開示したうえで、審査に通すか通さないかの判断をします。

この個人信用情報には、これまでのローンの利用履歴(借入年月日・借入金額など)がすべて記載されており、過去5年間分まで遡って見られます。

つまり、カードローン会社はあなたが申し込みをした時点で、いつ・どこからお金を借りたか簡単に調べ上げられるのです。

収入証明書なしを希望する場合は、嘘をつかずに収入証明不要の範囲内で借り入れをするしか方法がありません。

入力内容にミスや不備があった

嘘をつくつもりがなくても、入力内容にミス不備が生じることがあります。

入力内容にミスがあったら、情報の裏をとるために免許証だけで借りられなくなる可能性があります。

勤務先の入力情報にミスがあった場合 給与明細書や社会保険証などの提出を求められる
自宅の入力情報にミスがあった場合 公共料金の明細書などの提出を求められる
収入の入力情報にミスがあった場合 給与明細書や源泉徴収票などの提出を求められる

たとえば勤務先の情報に誤りがあった場合、社会保険証や給与明細書の提出を合わせて求められることがあります。

とくに急いでいるときこそ注意が必要で、ミスによって必要書類が多くなり審査時間が長引いてしまうかもしれません。

内容にミスや不備がないように、丁寧に申し込み情報を入力していきましょう。